過敏性腸症候群の症状・鍼灸治療について
過敏な腸の動きは自律神経のバランスを整えて改善しましょう
過敏性腸症候群とは
腸の粘膜にポリープや腫瘍などの、器質的病変がみつからないのに、腸のはたらきが亢進しすぎることにより、腹痛や便秘、下痢を繰り返すなどの症状が現れる病気です。腸自体が悪いのではなく、何らかの原因で腸を動かす神経が刺激され、腸の動きが活発になりすぎ腹痛などが起こります。
過敏性腸症候群の原因
心理的な要因が関与していることが多く、自律神経の失調や、心身症の一部と考えられています。ほかにも薬の使用や、食事にも原因があると考えられています。
過敏性腸症候群の症状
- 便秘型
- 突然おこる便意が特徴です。便意が心配で外出が困難になってきます。
- 下痢型
- 腸管が痙攣をおこし、便が停滞します。便は水分を必要以上に吸収され、ウサギの糞のようにコロコロした硬いものになり、排便困難を起こします。
- 交互型
- 上記の便秘と下痢を繰り返します。
ほかに頭痛、肩こり、腰痛、精神的な不安などの全身症状がみられます。
過敏性腸症候群の鍼灸治療
それぞれの症状に対する治療とともに、全身のバランスを整える治療をおこないます。特に自律神経と関係が深いので、自律神経のバランスを整える治療をおこないます。東洋医学的に診ると、肝と脾はストレスに影響を受けやすいといわれています。肝、脾のはたらきを高め、ストレスに強い体質の改善が見込めます。
過敏性腸症候群の主なツボ
天枢 | 腹部の症状、むくみ。 |
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気海 | 消化不良、便秘、下痢、生殖器症状など。下腹部の状態を整える作用と腎の気を補う作用がある。 |
足三里 | 胃腸の症状、めまい、むくみ。疲労回復に有効。 |
内関 | 胸の痛み、動悸、自律神経の症状。 |
百会 | 自律神経症状、頭痛、耳鳴、めまいなど。気が頭に上ることにより起こる頭痛には特に有効。 |
合谷 | 顔の症状、目の症状、全身の気を調節するときも使用します。他に貧血を回復させる返し鍼に使われる。 |
中脘 | 消化器症状、自律神経症状など。(食物からの元気を補う) |
太衝 | 頭痛、めまい、吐き気、目の充血、婦人科の症状、排尿問題。血の滞りを改善するのに有効なツボ。生理痛にも特に有効。 |