腱鞘炎 ばね指の症状・鍼灸治療について
慢性化しやすい症状だからこそしっかりとした治療をしていきましょう
腱鞘炎 ばね指とは
繰り返し使用することによる刺激や、感染、関節リウマチなどが原因となって腱鞘と呼ばれる腱(筋肉の端の部分)を包むところが炎症をおこしたものです。
またひどくなると、腱鞘が相対的に狭くなり、腱がうまく移動できずにばね現象が起こるばね指になることもあります。親指、中指、薬指、人差し指、小指の順に多く見られます。
腱鞘炎 ばね指の症状
手の腱鞘炎のド・ケルバン病が多く見られます。これは狭窄性腱鞘炎ともいい、他の病気や感染がないもので使いすぎと腱の通り道が狭い事が主な原因となります。親指を握り、拳を作り、手首を小指側へたおす(フィンケルシュタインテスト、アイヒホッフテスト)と痛みが誘発されます。ばね指ではばね現象とともに痛みを感じます。
腱鞘炎 ばね指の鍼灸治療
- 局所治療
- 局所に対しては、固くなっている部分などを緩めるように治療していきます。炎症が強い場合は、その部位を避けてまわりに刺します。炎症を抑える効果と、痛みを抑える効果を出すように治療していきます。また肘や肩、腰の筋肉のこわばりなどにより、手首の負担が大きくなっていますので、その部位も合わせて治療します。
- 全身治療
- 局所治療に加え、全身治療では全身の緊張を緩めるほかに、身体を活性化させて治癒力を高めます。また産前産後の女性や、更年期の女性に多いことから、腎の気の不足が原因となることもありますので、東洋医学的には腎の気を高めるように治療して、痛みをとるだけでなく、痛みが出づらい身体づくりが見込めます。
腱鞘炎 ばね指の主なツボ
合谷 | 顔の症状、目の症状、全身の気を調節するときも使用します。他に貧血を回復させる返し鍼に使われる。 |
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陽谿(ようけい) | 手首の腱鞘炎。 |
外関 | 耳鳴り、肩の痛み、手首の神経痛、身体のだるさなどに有効。身体の水分代謝を整える。 |
曲池 | テニス肘、喉の腫れ、腕や肘の痛み、肩や首のこり、腱鞘炎、消化器や皮膚症状にも有効。 |
肩井(けんせい) | 肩、背中の痛み。不眠やストレスとのとき張ってくる場所。肩こりの特効穴で頭痛、五十肩、血圧安定に有効。 |
帯脈 | 腰痛。 |
手三里 | 胃腸、上肢、目の症状、テニス肘。肩こり、寝違えを和らげる。鼻炎や蓄膿症などの鼻症状、皮膚症状、便秘の緩和。 |
尺沢 | 咳、喉の痛み、肘の痛み。肺の症状に有効。 |
兪府 | 咳、喘息、胸の痛み。 |
膏肓(こうこう) | 咳、喘息、背中の痛みなどの呼吸器の症状。 |
隔兪 | 胃腸の症状、背中の痛み。 |
腎兪 | 腰足の重さ、腰痛、泌尿器の症状、むくみ、耳の症状、足の冷え。 |
次髎(じりょう) | 腰痛、生殖器の症状、泌尿器の症状。 |
委中 | 腰足の痛み、ギックリ腰の時にも有効です。足のむくみ、背骨の際、頭部の痛みやこりにも有効。 |
照海(しょうかい) | 喉の渇き、不眠。 |
太谿(たいけい) | のどの痛み、耳鳴り、不眠、腰背中の痛み、頭痛、めまい。腎の症状に対して有効。 |