パーキンソン病の症状・鍼灸治療について
パーキンソン病とは
病理学的には、脳内の神経変性疾患の1つと言われています。そして、根本的な治療法は未だ確立されていません。
かつては、肺炎の併発や喉に物をつまらせてしまって死亡する例も多かったようですが、現在では、パーキンソン病が直接の死因となることはありません。ただし、歩行時に転倒して大怪我をしたりする危険性が高まったり、薬の副作用に悩まされたりすることが懸念としてあります。
また、進行していく症状の為、思い通りに体が動かない事で不安定な精神状態になることも稀ではありません。
大切な事は身体の治療と心のケアをしっかりと行い、この病気と上手に付き合っていける環境を整えていく事です。
パーキンソン病の症状
- 手足の振戦(手や足が震えること)
- 筋固縮(身体のこわばり、筋肉が固くなること)
- 動作緩慢(動作が遅くなる)
- 姿勢反射障害(姿勢を安定させることが困難)
- 自律神経障害(主に便秘)
- 歩行困難(小刻み歩行、突進歩行、すくみ足)
- 仮面様顔貌(まばたきが減り、仮面を被ったような無表情)
- もごもごと分りずらく話す(構音障害)
- 食事の飲み込みや咀嚼が上手く出来ない(嚥下・咀嚼障害)
- 字を書くとだんだん小さくなっていく(小字症)
パーキンソン病を治すために、まず便秘の鍼治療
パーキンソン病の鍼灸治療
パーキンソン病の治療の為に、当院ではまず「便秘」の治療を行います。交感神経を過剰に緊張させてしまう便秘は、パーキンソンの症状を悪化させてしまう恐れがあるからです。
当院の鍼治療では頭部の治療を重視して行いますが、まずは全身を治療し、循環を促したうえで頭部の治療をおこなっていきます。
全身治療は血流改善の促進、副交感神経優位による腸の運動の促進をおこし、便秘の解消に繋がります。
便秘が改善されると、副交感神経の機能が高まり、睡眠の質が向上します。そして、しっかりと睡眠がとれることにより、疲労回復、食欲増進から表情がスッキリとしたものへと変化していきます。