十二指腸潰瘍の症状・鍼灸治療について
若い人の胃の痛み、大半が十二指腸潰瘍です
十二指腸潰瘍とは
十二指腸の粘膜が傷ついた状態をいいます。十二指腸潰瘍は胃潰瘍と同様に、胃液の酸によって十二指腸の粘膜が傷つけられます。ヘリコバクター・ピロリ菌が原因といわれていますが、その他ストレスなどにより消化作用と粘膜の防御機構の乱れなども原因といわれています。20~30代に多いといわれています。
十二指腸潰瘍の症状
みぞおちの痛み(夜間・空腹時)胸やけ、黒色の便(タール便)などがあります。十二指腸ではストレスが要因となることが多いので、ストレスをためないことが重要になります。食事を規則正しく決まった時間に取ることも大切です。胃酸過多などの状態から移行するので、腹部の膨満感などの症状がある場合は予防のためにも、食生活やタバコ、アルコールなどの摂取を見直すことをおすすめします。 出血や過度の痛みを伴うものは専門医の判断を仰いでください。
十二指腸潰瘍の鍼灸治療
- 局所治療
- お腹のツボや押して痛いところなどに鍼灸をします。また胃酸が原因となりますので胃のツボを刺激して胃の調子を整えます。背中の胃の六つ灸のツボ(膈兪、肝兪、脾兪)などを使用して背中の緊張も一緒にほぐしていきます。
- 全身治療
- 全身的に回復力や消炎効果を出すために全身に鍼灸をします。またストレスが原因となる場合にはストレスに対する治療も行います。ストレスにより消化器系に乱れを起こしていますので、消化器系のツボや、自律神経を調整するように鍼灸をします。東洋医学的には、みぞおちの痛み・ゲップ、胸焼けなどがありますので、胃の気や肝の気が上昇して、症状をだしています。気を下降させたり、体内に留めるように処置をします。
十二指腸潰瘍の主なツボ
中脘 | 消化器症状、自律神経症状など。(食物からの元気を補う) |
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天枢 | 腹部の症状、むくみ。 |
不容 | 横隔膜、食道の症状、胸やけ、しゃっくり、吐き気。 |
関元 | 泌尿、生殖器疾患、軟便、下痢に効果的。 |
梁丘 | 胃腸の症状、膝の痛み。 |
豊隆 | 咳、喘息、のどの痛み、足の痛み。 |
膈兪 | 胃腸の症状、背中の痛み。 |
肝兪 | 目の充血、眼精疲労、めまい、イライラ、飲み過ぎ。 |
脾兪 | 胃腸の症状、食欲不振、むくみ。 |
腎兪 | 腰足の重さ、腰痛、泌尿器の症状、むくみ、耳の症状、足の冷え。 |
大衝 | 頭痛、めまい、吐き気、目の充血、婦人科の症状、排尿問題。血の滞りを改善するのに有効なツボ。生理痛にも特に有効。 |