上腕二頭筋長頭腱炎の症状・鍼灸治療について
疲労を残さない身体を作っていきませんか?
上腕二頭筋長頭腱炎とは
ちからこぶを作る上腕二頭筋の腱に炎症が起こったもので、症状が長引くと腱鞘炎に移行することもあります。野球肩とも呼ばれ、主に肩、肘の使い過ぎによって起こります。
上腕二頭筋長頭腱炎の症状
肩の前側、特に結節間溝といわれる部分に疼痛が起こります。腕を前に上げたり、背中をかくような動作、ものを持ち上げるような動作で痛みがでます。ひどくなると、夜間痛やじっとしていても痛みが現れるようになります。
上腕二頭筋長頭腱炎の鍼灸治療
- 局所治療
- 肩の前側の痛みなので、関連している太陰経の経絡を使います。特に肺経の孔最と呼ばれるツボに圧痛が出やすいので、そこを刺激して痛みの軽減をはかります。また上腕二頭筋の緊張を緩め、腱の摩擦を軽減し炎症を抑えていきます。急性期にはアイシングや患部の安静が必要になります。
- 全身治療
- 全身的な治療としては、回復しやすい環境を作り出すことを目的とします。炎症を抑える ツボを刺激したり、肩の負担が軽くなるようにバランスを整えていきます。 東洋医学的には筋肉の問題は肝に関係しているといわれています。肝が損なわれると、筋に引きつれが起こりやすいとされています。上記のことから、全身を治療して肝の機能を上げることにより治癒力を高めることが見込めます。
上腕二頭筋長頭腱炎の主なツボ
肩髃(けんぐう) | 肩の関節痛。 |
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肩貞(けんてい) | 肩、腕の痛み。耳鳴り。 |
肩井 | 肩、背中の痛み。不眠やストレスとのとき張ってくる場所。肩こりの特効穴で頭痛、五十肩、血圧安定に有効。 |
雲門(うんもん) | 咳、喉の痛み、胸の痛み。 |
肩外兪 | 首、肩、背中の痛み。 |
巨骨 | 肩の痛みに対して有効。 |
百会 | 自律神経症状、頭痛、耳鳴、めまいなど。気が頭に上ることにより起こる頭痛には特に有効。 |
合谷 | 顔の症状、目の症状、全身の気を調節するときも使用します。他に貧血を回復させる返し鍼に使われる。 |
孔最 | 咳、喉の痛み、肘の痛み。 |
手三里 | 胃腸、上肢、目の症状、テニス肘。肩こり、寝違えを和らげる。鼻炎や蓄膿症などの鼻症状、皮膚症状、便秘の緩和。 |
膈兪 | 胃腸の症状、背中の痛み。 |
肝兪 | 目の充血、眼精疲労、めまい、イライラ、飲み過ぎ。 |
腎兪 | 腰足の重さ、腰痛、泌尿器の症状、むくみ、耳の症状、足の冷え。 |
足三里 | 胃腸の症状、めまい、むくみ。疲労回復に有効。 |
三陰交 | 消化器のほか、女性疾患の特効穴。冷え症状、婦人科症状(月経不順、更年期障害など)を調節。 |
合谷 | 顔の症状、目の症状、全身の気を調節するときも使用します。他に貧血を回復させる返し鍼に使われる。 |